着火備忘録

甘栗よ、ずっと永遠に。

舞台『何者』11/30夜公演の感想。

 

舞台『何者』11/30夜公演を観劇してきました。

原作も映画も観ずパンフも読み終えず(ひどい)一度きりの観劇の感想をざっくりと。

 

わたしは顕嵐くんの顔以上に、踊り方が好きだ。

なんなら、贅沢にも首から下に惚れている、と思うことがある。

今でも好きなJr.祭りの一場面にFantastic Rideの終盤、らぶとトラジャに分かれて横花に歩き出すところがある。あの顕嵐くんの羽の生えたような一歩一歩に、今でも痛いくらいの胸の高鳴りと止めどない高揚感を覚えた。まるで空気を連れていくような軽やかな踊り方が、とても素敵だなあと思う。

ただ、わたしはれんれんが好きで、作間くんが好きで、彼らが同じステージ上にいる限りどうしても顕嵐くんだけをロックオンすることができなかったのだけれども、『何者』はどうやら踊るらしい、と聞きつけ、これはロックオンできるいい機会だと思ったので、初めて天王洲銀河劇場に行ってきた。

よくよく考えたら顕嵐くんの演技を真面目に観るのは初めてだった、と往路の電車の中で気づいた。ジュニア界隈に注目するのが遅かったので、日テレ深夜のドラマリレーは最後のお兄ちゃんガチャでようやく存在を知ったし、キララは放送からだいぶ経って流し見した。どんな演技をするんだろう、という不安よりも羨ましいことに主演舞台、映画出演と立て続けに演技仕事が続いている、という謎の安心感があった。

観ていてまず感じたのは、強烈な登場人物の中でどこか一歩引いたような、顕嵐くんの印象の薄さだった。登場人物でありながら語り手でもある拓人の俯瞰的な立ち位置は、彼が主人公だからではなくて、そうあろうとしたから。服装も、就活の仕方も、立ち居振る舞いも普通で、ただたまにちょっと斜に構えて物事を言う、二宮拓人は立派に「この世のどこにでもいる大学生」の一人だった。大好きなサワ先輩、恋してる瑞月さん、相手によって分かりやすく表情変えてかわいかったな~!顕嵐ちゃんの恋心にとてもときめいた。ただのグレーのニットにストレートのデニム、無地の靴下、普通のパーカー、かわいい半纏、極めつけは就活スーツ!あんなただのスーツがどんだけ似合うの?!かっこよすぎて~!顔面力が際立つ服しかない。

喫煙シーンがあるのは知っていたけれど期待をはるかに上回ってものすごく性癖にクるものがあったし、押し倒されたり、定期的にメガネかけてくれたり、暗転の中で半纏を羽織り中にきたパーカーのフードを引っ張り出したり、どこだったか「呟いただけですよ」のセリフとともに手をグーパー(ニュアンスはグッパッ)したり、名刺下さい!てかかとあげてぴょこっとお辞儀したり、ふとした瞬間に聞こえてくる息遣いとか、もう端的にいうとたまんねぇな~~~~って感じ。2時間ずっとこんな感じ。

なんで誰も顕嵐ちゃんの生着替えがあるって教えてくれなかったんだ…。(読み飛ばしてただけ)どんどこ着替えていくけれどまさか本当に目の前で顕嵐ちゃんがパンイチになると思わなくて衝撃のあまり双眼鏡投げるところだった、やばかった。絶対忘れない。

楽しみにしていたダンスは、案の定もうすっごく楽しかった。場面に関わらず、おおよそジャニーズの舞台やステージの上では見られない動き方の顕嵐くんが溢れてて、それだけで観に来てよかった。その中でもやっぱりラスト、本当に命を削るような踊りが衝撃以外の何物でもなかった。暴れだす感情に苛まれて体がバラバラになってしまいそうなジャンプ、もう軸も何もあったもんじゃない汚いターンなのにその足の運び、伸びた指先に纏わりつく恐ろしいくらいの美しさが今でも頭からちっとも離れない。最高だった。それ以外の言葉が、出てこない。

まあ他の役者さんがすごくエネルギッシュで経験豊富で、ただ声を張り上げるだけじゃないし声を落としても感情がビシバシ伝わる演技がジャニ舞台しか行かないわたしにとって新鮮でもあり、この人たちと同じ板の上で演技をする機会が得られた顕嵐ちゃん、めっちゃうらやましいな…って他担目線からしみじみ思った。比べてしまうと発声も滑舌もまだまだだけれども、でも舞台で真ん中に立つ顕嵐くんのふとした瞬間の眩いほどの笑顔が、顕嵐くんは人前に立つべくしてそこにいるんだと感動した。「何者にだってなれる」役に顕嵐くんはきっとハマり役だったし、女の子2人は小柄で、顕嵐くん以外の2人は背が高くて、顕嵐ちゃんとメイン4人との絶妙な体格差も、画としてすごくハマってて、安易だけどうわあ天が顕嵐ちゃんに味方してる~~、このキャスティング絶妙だな~って。あんな風に顕嵐ちゃんが自分を消して拓人くんの地味で普通な一面と内に抱えた繊細な闇を2時間の舞台で演じ分ける演技力をお持ちだとは思いもよらなくて、いや前々からそれができたかは知らないけれど、もしかしたら一皮むけるきっかけになったのかなあ。つくづくうらやましいし、それを直接見られて良かった。

ツイッターをどう舞台に反映させるのかと思ったら、積極的に映像を多用したり、数々の箱で構成される無機質なセットだったり、とてもおしゃれだったし、終盤落ちてくる大量の紙ふぶきと顕嵐ちゃんの美貌との親和性で頭ブン殴られた気分だった。最高です。

ただ、ラストのあの怒涛の展開は、本当に目を背けたくて逃げ出したくて、理香さんのとめどないセリフにもうやめて!!!!!!!って何回も思った、たまらなくしんどい時間だった。めちゃくちゃ辛かった。日々ツイッター漬けで正直にいうと裏垢作って他人の批判をツイートしてたこともある()わたしにとっては殊更超不快だった!笑 原作を読んだことがないのは作者さんのこういう人の嫌な部分を的確にえぐってくるところが嫌いだから読んだことなかったんだ、ってことをそのとき思い出して、観劇を心底後悔した。どうせ観るならトラジディーよりコメディーが観たいのわたしだけじゃないと思うんだ。何者の譲りが多いのってこういう部分もあるのかなあと思ってしまった。もし内容が良かったらまた観に行くつもりだったけど、どうしてもちょっと荷が重い。でも、こういう劣情、激情にさらされて逃げられないのもまた舞台のいいところで、観劇後の心の消費と、その反復がまた心地よかったりするんだなあ。

わたしは自分が専門職で『何者』に出てきたような一般的な就職活動をしたことがないので、登場人物や作品のリアリティの部分がなんとも分からなくて、経験したことがある人ならもっと色々と感じる部分があったんじゃなかろうかと思うとすごく悔しいけれど、舞台を観ているうちに、あの時期の友人たちのやたら余裕のなさをようやくほんの少し理解できたような気がした。

顕嵐くんがこの秋から大学を休学したのは、単純に仕事量が多すぎて大学へ行けなくなったのかもしれないけれど、あのラストを観てしまった今では、目の前の「二宮拓人」や役者として、アイドルとしての自分に真摯に向き合おうと思ったら、中途半端に大学生の自分とのバランスを取るよりいっそ排除したくなったのかなあと感じた。これは勝手な想像。

 顕嵐ちゃんの素の部分についてはあまり詳しくないので、そういう機微は察せなかったけれど、とにかく若々しくて真っ直ぐできらきらした眼差しがとても素敵な三方礼が印象的だった~!

れんれん観に行きなよ絶対~!と思うけどらぶの現場に全然足運ばないからオイ!てなってる。

定価+手数料でも譲りが結構まだあるのかな?調べたら今日いれてあと4日しかなかった、時間ある人は絶対観た方がいい。1階後方ほぼ最上手から見たけれど、死角とか全然なくて十分見やすかった。ただ、最寄りの天王洲アイル駅ってほとんど何もない駅でひたすらお茶する以外時間つぶせないのでそこは要注意かもしれない!笑

次は来週ちゃかちゃんの舞台を観に行くので、また感想かけたらいいな~と!初の高田翔くん!楽しみ!